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港について

港湾の重要性

みなさんは、港湾にはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
港湾が扱う物流・人流は、経済社会活動を回すために必要不可欠であり、人間で例えるならば、体を働かせるための血液にあたります。
その人流・物流の結節点の役割を果たすのが港湾です。港湾は、海外と国内の人流・物流ネットワークを結び付け、物流・人流を日本全国の隅々まで行き渡らせる要所として機能しています。

そもそも、港湾は古くから、我が国の経済発展や国土形成に大きな役割を果たしてきました。例えば、かつて本州各地と北海道を結んだ北前船(きたまえぶね)では、沿岸の港町を中心に地域の発展に大きく寄与しました。戦後には、新しく開発した茨城県の鹿島港などが産業立地の中心となり、我が国の高度経済成長を牽引してきました。現在、港湾は、防災・減災やカーボンニュートラル等の役割も大きくなってきました。港湾は、社会の要請に応え、進化を続けています。

  • 北前船で栄える酒田港
  • 鹿島港と産業立地
  • 物流を支える港湾

港湾の役割

港湾の主な役割を紹介します。

  • 物流

    港湾の最も主流といえる役割です。港湾は、国の経済活動、国民の生活に必要な物資の輸送拠点です。我が国の貿易量の99%以上が港湾を経由しており、年間貿易額の合計は約9.3兆円(輸出4.6兆円・輸入4.6兆円)にも上ります。

  • 人流

    島国であり多くの島を抱える日本では、フェリー等による人員輸送も交通ネットワークの重要な地位を占めています。港湾は、国内フェリー・国際フェリー・港内アクセスや、離島における安定した住民生活のための基礎的なインフラとして機能しています。

  • 産業

    産業にとって、原材料の輸入や製品の出荷などに港湾が近接していると有利であることから、港湾はさまざまな産業の集積拠点として機能しています。これにより、港湾では、多くの産業との連携によって雇用を創出し、地域経済の発展に寄与しています。我が国で、港湾がある市町村の製造品出荷額の合計は約148兆円にも上り、我が国の総計の半分以上を占めています。

  • 生活

    港湾は、海と陸の結節点の特性を活かした親水空間、賑わい拠点としても活用されます。また、地域住民の交流や観光の振興を通じた地域の活性化に資する「みなと」を核としたまちづくりを促進するため、「みなとオアシス」という制度を平成15年に設立しました。令和6年5月時点では、全国で161箇所のみなとオアシスがあります。

  • 防災

    港湾は、災害発生時にその背後地を守る役割を担います。さらに、災害時における海上輸送ネットワークの拠点ともなります。災害時に港湾によって防災・減災の効果がある人口は、全国で5,891万人にも上ります。

港の種類

港湾の種類や役割は多種多様です。我が国には港湾法に基づく900港以上の港湾が存在し、ぞれぞれの役割を発揮しつつ、物流・人流のネットワークを支えています。

国際戦略港湾

国際戦略港湾は、京浜港(東京港・川崎港・横浜港)、阪神港(大阪港・神戸港)の5港を指定しています。
この5港は、海外との長距離コンテナ輸送ネットワークの窓口となるとともに、この国際ネットワークと国内ネットワークとを結びつける一大ターミナルとして機能しています。

国際拠点港湾

国際拠点港湾は全国に18港あり、広域的な国際海上貨物輸送のネットワークの拠点として機能しています。

重要港湾

重要港湾は全国に102港あり、海上輸送ネットワークの拠点として、我が国の社会経済活動に大きく影響を与える港湾として、ネットワークの一端を担っています。

地方港湾

全国に約800港ある地方港湾は、我が国の海上輸送ネットワークを形成し、国土の隅々まで物流・人流を行き渡らせる役割を担っています。

これらの港湾がそれぞれの役割を果たし、海上輸送ネットワークを形成することで、我が国の社会経済活動を支えています。

港湾では、時代の要請に応えた機能を発揮していくことが重要です。これらの区分以外にも、国際コンテナ戦略港湾、国際バルク戦略港湾など、その機能に重点を置いた区分もあります。また、カーボンニュートラル時代には、水素輸送の拠点や洋上風力発電の拠点、またリサイクル輸送の拠点など、時代の要請に応じた様々な機能を発揮しています。

  • 国際戦略港湾(横浜港)
  • 国際バルク戦略港湾(釧路港)

港のかたち

全国各地に港がありますが、そのかたちは様々です。その土地の地形や、交通ネットワークの状況などを考慮して、港湾の位置が決められています。みなさんの近くにある港湾も、以下の分類のいずれかに当てはまるかもしれません。港湾を観察してみませんか。

天然の良港

長崎港

岬、島等により風浪が遮蔽された地形の場所に建設された港です。
静穏度が高く、自然地形が防波堤の役割を果たします。
水深が比較的深く、浚渫(海底に沈んだ土砂を取り除くこと)をしなくて済むエリアも大きいのが特徴です。

河口港

新潟港

河川の河口部を利用して建設された港です。
静穏度が比較的高く、こちらも自然地形が防波堤の役割を果たします。
一方で、河川の自然地形を利用しているため、流下土砂の浚渫、大水深化が課題となることがあります。そのため、河口を利用しつつ、沖合等に展開(別途埋め立てなど)することもあります。

掘り込み港

鹿島港(茨城県)

外海の荒波を避けるため、砂浜を掘り込んで建設された港です。
内陸等に十分な土地があることにより、ターミナルの拡張や産業立地を見込むことができます。
一方で、防波堤の建設も多く、効率的・効果的に港湾を守ることが必要です。

埋め立て港

東京港

トンネルを掘ったあとの土や、山の土などを使って、海域の土地を埋め立てて建設します。背後が大都市であるなどにより、内陸の土地が十分に確保できない場合等に有利です。さらに埋め立てて沖合に展開するなど、拡張余地が大きいことが特徴です。

港湾を形づくる仕事

港湾は、前述のとおり、役割や機能がさまざまであり、なおかつ港湾の利用者は、フェリーの乗客といった一般のお客様から、宅配便などの物流業者・フェリー会社、さらには製造業などの企業など様々です。
港湾行政では、これらのステークホルダーと密に意思疎通し、調整しながら港湾の姿を描き、整備を進めていきます。様々な人の意見やニーズをとりまとめ、港湾の姿を描き実現していく過程は、港湾行政を担う国土交通省港湾局ならではです。議論を重ねて検討したことが、港湾として目に見える形となり、日本の社会経済を支え、国土をつくってゆく。港湾の仕事はダイナミックさに満ち溢れています。

国土交通省の港湾政策に関心のある皆様へ

港湾は、物流・人流の結節点としての役割も引き続き機能強化していく必要があり、一方で、カーボンニュートラルなど、時代の要請に合わせた新たな港湾の形も実現していく必要があります。理想の港湾を一緒に実現していきませんか。あなたと同じ職場で働ける日を楽しみにしています。

  1. /港について

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